みなさんこんにちは。
突然ですが、お菓子作りが好きなみなさんは、シルパット、シルパン、クッキングペーパーの違いをご存知ですか?

聞いたことはあるけど、持っていなくて焼き比べできないから違いが分からない…
そんな方へ向けての記事になります。
- 3つのアイテムの違い
- それぞれに向いているお菓子
- 家庭で使うなら3つのうちどれ?
3つのアイテムで焼き比べ

今回は手軽なビスキュイで焼き比べてみました。
まず特筆すべきなのが、焼き上がった生地の裏側の違いです。
シルパット、シルパンは均一に焼き色が付いていますが、クッキングペーパーでは波打つように焼き色にムラがあります。
これは、鉄板と生地が近すぎるために、結果的に下火が強い状態になってしまい、生地が浮き上がってしまうのが原因です。
特に、家庭ではほとんどの方がオーブンレンジを利用していると思います。
家庭用オーブンと洋菓子店のオーブンの違いはなんと言っても上火、下火の設定ができるか否かです。
また、洋菓子店の業務用オーブンやコンベクションオーブンですと、熱が均一に伝わるので、焼きムラも少なくなります。
家庭用オーブンではどうしても細かい温度設定ができないために、焼きムラができてしまいますよね。

それを解決するのがシルパットやシルパンなんだね。
お店で使うのはどれ?
では、実際にお店では何を敷いて焼いているのか?
私はいくつかの店でパティシエとして働きましたが、ほとんどの店が、何も使わず焼くか、シルパットを使っていました。
「何も敷かないなんて、生地が天板にくっつく上に余計に生地が浮き上がるのでは?」と思われる方も多いでしょう。
家庭では、オーブンに付属していた天板で焼いている方がほとんどだと思います。
家庭用オーブン付属の天板は、スチール製や、アルミ製になります。
対して洋菓子店では、鉄製の天板を使います。
これは例えるならば、フライパンでチャーハンを作るのか、鉄製の中華鍋でチャーハンを作るのかくらい違います。
両者の違いは熱伝導率です。
また、お店では天板は洗いません。生地を焼いたあとは拭くだけです。
こうすることによって、鉄製の天板に油が馴染み、生地もくっつきにくくなっていきます。
日々の「焼き作業」と「メンテナンス」を繰り返すことにより、天板が経験値を積んでいき、使いやすくなっていくのです。
銅製の天板もおすすめ
ちなみに私自身は、家でお菓子を作る時は銅製の天板で焼きます。
高温で焼くお菓子やパンなどの予熱温度を高く保つためには天板の熱伝導率は重要になります。
銅も鉄と同じく熱伝導率が良いので(むしろ熱伝導率でいえば鉄よりも良い)、オーダーメイドで作りました。ハード系のパンもサクッと焼けて、重宝しています。
それぞれに向いているお菓子は?

ではシルパット、シルパン、クッキングペーパーを家庭で使う場合、どのお菓子をどれで焼けば良いのか?
個人的に焼いてみて、それぞれの特徴と、家庭用オーブンとの相性が良いお菓子をまとめました。
●シルパン(水分や油分が抜けやすく、サクサクしたものに向いている)
- クッキー
- タルト
- クロワッサンなどの油分が多いパン
●シルパット(表面がシリコンでコーティングされているため、焼き以外でも用途は様々)
- フレンチマカロン(シルパットに厚さがあるため、天板からの下火が抑えられ、浮き上がり防止になる)
- ダックワーズ
※「焼き」以外の作業でも、パン生地を捏ねたり、チョコ細工を作ったりと色々なことに使えます
●クッキングシート(天板からの下火が直に伝わるので、下火の強さがいる生地に良い)
- シュー生地
下火の強さが必要なシュー生地。
均一な大きさに絞ることに慣れていない方は、まずはクッキングシートにセルクルなどで丸を書いてから天板に敷き、線からはみ出さないように絞ることがコツです。
本来、1番のおすすめはシルパンですが、シルパンではガイドラインを描くことができないので、初心者の方にはまずはクッキングシートで均一な量の生地を絞り出せるようになってから焼きましょう。
※これはマカロンにも同様なことが言えますが、マカロンの失敗で多いのが下火の強さによる浮き上がりなので、マカロンについてはシルパットをおすすめしています。
家庭で使うなら3つのうちどれ?

家庭で何を作ることが多いのかにもよりますが、シルパットもシルパンも持っていない方は、まずはシルパットを購入してみることをおすすめします。
理由は、上記にも書きましたが「圧倒的に使用用途が多い」ことです。
シルパンは焼き菓子をサクッと焼くことには向いていますが、それ以外の使用用途はありません。
お菓子作りが好きで、焼き菓子以外にも色んなお菓子を作るという方は、シルパットが家庭にあると様々なことに使えてとても便利です。
お菓子作りをする上で「焼き」はとても重要な工程になります。家庭のお菓子をワンランクアップさせるためにも、道具にはぜひこだわりを持って良いものを揃えてくださいね。

「焼き」はお菓子作りでの最終工程。ここで台無しにならないように品質の良い道具を使おう!